センゴク権兵衛185話-齟齬-

宮下英樹先生による漫画「センゴク権兵衛」の185話の見どころです。

 

 

唐入決定

忍城攻めで失敗した石田三成をあざ笑うかのように、奥州一揆が起こり出した頃、奉行衆は、京都へ帰る。秀吉が来春唐入を決めたからだ。戦国期の日本は、大型船の性能や数の問題で、高麗を経由して唐へ攻め込む方法しかとれない。

 

日本国-(親交あり)-対馬国-(親交あり)-朝鮮国

日本国-(親交なし)-朝鮮国

上記の関係であるため、小西(対馬領主と血縁関係)に一任して外交を任せている。

 

齟齬

朝鮮から秀吉の「全国統一を祝う」国書が送られた。

日本は、朝鮮の服属と認識していた。

朝鮮は、ただ、祝辞を送っただけである。

これは、豊臣政権からの強い要求(服属)を小西が緩和(使節参洛)して朝鮮に伝えたからである。そして、朝鮮が祝辞の使節を出すと、服属の使節と偽ったのである。

 

唐入の協力

豊臣政権側の要求は、征明嚮導である。つまり、朝鮮に明国の征服の手助けをするように言ったのである。朝鮮側の使者は、内容の変更を求めるも、許諾されず、帰路につく。この後、対馬領主が案内は必要ないので、道だけ使わせて貰う旨を伝えるも、拒否される。交渉は膠着状態のまま、時は迫ってくる。

 

感想

秀吉の中国攻め計画のお話です。昔から疑問に思ってたのです。国内の余った浪人衆の使い道や減らしを目的とするなら、明ではなく、朝鮮と戦っても良かったわけです。なぜ、朝鮮ではなく、明を狙ったのでしょうか。韓国の歴史観を聞くと、この時点で日本と朝鮮は険悪だったみたいなんですが、事実を見ると、戦う必要がない程度に協力関係があったようです。小西の二枚舌外交でややこしいことになっていますが、そういえば、北朝鮮-韓国-アメリカでも似たような外交してましたね。